働き方改革の理論と実践
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第1章 若者を定着させるコミュニケーション法…21 ここで、「成熟度の低い部下」とは、「能力×、意欲×」ですから、ある意味で「新人に近い人」を思い浮かべるとよいでしょう。「成熟度の高い部下」とは、「能力○、意欲○」ですから、ベテランです。そんな部下の状況に合わせて、「指示的行動と支援的行動」の2つの面から適切に指導方法を変化させるのです。 たとえば、現場の原価管理で、あと数%のコストダウンが必要なときに、部下指導をどのようにするのがよいのでしょうか。図表Ⅰ-4 現場の具体的な4つの指導法指 導 法建設現場の具体的指導事例指示的指導法問題点とコストダウンの方法を詳細に説明して、改善方法についても細かく指示命令とチェックを行い、一歩ずつ教え、助けます。説得的指導法「あの機材を使うとコストダウンになる」などとある程度の指示をしますが、理由を得心させて、実行予算を自分で作らせて、主体的行動になるように支援しながら説得します。参加的指導法下請け企業との交渉などにも部下を参画させることにより意欲を引き出し、実行予算の進め方については任せて援助を中心にします。委任的指導法原価管理などの目標設定を一緒に行いますが、具体的な達成方法は部下に任せて、自律行動を奨励します。

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