「建設業の経理」№76
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……………………………………………………………㈱経理がよくなる/児玉上野税務会計事務所税理士・中小企業診断士上野一也第12回経理のアウトソーシング活用経理体制の効率化を考える上で,社内における業務分担の見直しとともに検討したいのが外部の有効活用(アウトソーシング)です。今ではあらゆる仕事のアウトソーシングが可能になっています。経理業務においても,外部業者をうまく使うことで,社員の時間やスキルをコア業務に集中させることができます。今回はアウトソーシングという視点から,経理業務の効率化を考えていきましょう。アウトソーシングする業務範囲が拡大業務のアウトソーシングは,最近はじまったものではなく,仕事を下請業者に任せたり,外注化したりするやり方は昔から一般的に行われてきました。しかし,この10数年の間にアウトソーシングする仕事の内容が大きく変わってきました。それまで事務系でアウトソーシングする仕事は,社内ではできない専門的なスキルを必要とする業務が中心でしたが,これに加えて,一般的な事務処理のアウトソーシングが伸びていきました。その要因は,インターネット環境が整備されたことにあります。インターネットが高速化したことで,ネックとなっていた書類データの受け渡しに時間と場所の制約を受けなくなったため,事務処理をアウトソーシングしやすくなったのです。いまでは,複数の会社から事務処理を受託するアウトソーシング業者が増え,価格もどんどん安くなってきています。社内でやるべきか?アウトソーシングすべきか?このような流れの中で,経理部門として「どこまで社内でやるべきか,何をアウトソーシングすべきか?」が問われる状況になってきています。事務関係の仕事で,現在アウトソーシングが最も利用されているのは「給与計算」,「経費精算」,「会計処理」の3つです。給与計算と経費精算は,毎月の処理件数がほぼ一定であり,手続の流れを定型化しやすく,作業する時期も決まっています。会計処理も8割方が毎月発生する定型取引のため,アウトソーシングしやすい業務となっ効率アップ!経理事務カイゼン96建設業の経理Autumn2016

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