建設業の経理№81
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問厳格度の観点から、標準原価を分類すると、以下の3つに分けられる。初めに、①理想標準原価とは、技術的に達成可能な最大操業度のもとに、最高能率を表す最低の原価である。次に、②現実的標準原価とは、良好な能率のもとにおいて、その達成が期待され得る標準原価である。最後に、③正常標準原価とは、経営における異常な状態を排除し、過去の実際数値と将来のすう勢を加味した正常能率等に基づいて決定される原価である。問1工事間接費の予定配賦法では,配賦の正常性概念を尊重し,原則として,年間あるいは会計期間での工事間接費と操業水準を予定し,事前に配賦率を決定しておく。ただし,建設機械等の長期保有資産の利用から生ずる間接費については,数年間での使用状況や耐用年数を予想して,その配賦率を予定しておくこともある。この考え方は,建設業独自の手法で開発した「損料計算」である。予定配賦率を求める算式は,次のとおりである。予定配賦率=一定期間の工事間接費予定額(予算額)同上期間の予定配賦基準数値(基準操業度)上記算式の分子となる「一定期間の工事間接費予定額(予算額)」の設定方式には,①固定予算方式と②変動予算方式とがある。第22回/建設業経理士検定試験86建設業の経理Winter2018

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