相続財産評価の税務判断
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 本問の場合には、評価対象地の実際の面積と土地登記簿上の地積の較差が僅少であると認められますので、上記の(簡便法)により下記のとおりに計算して評価することが適切であると考えられます。〈評価額〉10,000千円×432㎡400㎡×1.2=12,960千円⑵ 固定資産税評価額が付されていない土地等の評価方法   父の相続財産の中に払下げを受けたばかりの国有地があり課税時期の属する年分の固定資産税評価額が付されていません。この土地は倍率方式により評価する地域に所在しますがどのような方法により評価すればよいでしょうか。   倍率方式により評価する土地について、 のように国有地等の払下げ直後に課税時期が到来した等のために課税時期において固定資産税評価額が付されていない場合や農地を宅地に地目変更した直後に課税時期が到来した等のために付されている固定資産税評価額が課税時期の現況に応じたものでない場合には通常の評価方法(固定資産税評価額×評価倍率)により評価することができません。 そこで、このような土地については、その現況に応じ、状況が類似する付近の土地の固定資産税評価額を基とし、付近の土地との位置、形状等の条件の差を考慮して、その土地の固定資産税評価額に相当する金額を算出し、その算出した価額に評価倍率を乗じて計算した金額によって評価します。 ただし、相続税の申告書の提出期限までに、その土地に新たに固定資産税評価額が付された場合には、その付された価額を基に評価します。(㊟贈与税において同じです。)⑶ 倍率地域に所在する不整形地等の個別事情のしんしゃくの可否   倍率方式により評価する宅地について、評価すべき宅地が不整形地、間口が狭小な宅地、無道路地等である場合には、これらの個別事情をしんしゃくするために路線価方式における画地計算の方法を準用して各種の補正率を適用して計算することができますか。   倍率方式の計算要素である固定資産税評価額の計算方法を定めた固定資産税評価基準では、財産評価基本通達に定める路線価方式による評価と同じような画地計算を行うことになっていますので、固定資産税評価額の計算過程において評価対象地が不整形地等であることについての個別事情のしんしゃくが既になされていると考えられます。 したがって、評価対象地を倍率方式により評価するに際して、その計算の基となる固定資産税評価額については、原則として再度のしんしゃくをする必要はないこととなります。96

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