改訂増補 予算会計
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(日付)×4年3月31日/P/L(売上高)100B/S(仮受消費税)8108貸方合計108借方合計108B/S(売掛金)従前の損益予算:「単式簿記」キャッシュ・フロー予算:「複式簿記」例3:予算を単式簿記から複式簿記へ1.カリスマによる経営から組織的な経営への「経営承継」2.資金繰り管理の高度化✔学習のポイント~予算を「複式簿記」で考える~従前の予算作成実務は、「損益予算」の作成であり、予算科目別に売上高や費用を集計しています。これは会計的に見れば「単式簿記」になります(例3)。しかし、キャッシュ・フロー予算制度を構築するためには、「部門別月次予算貸借対照表」が正確に作成できることが前提となります。つまり、予算を「単式簿記」から「複式簿記」に変えなければ、この前提は実現できないのです。これが本書を「予算会計」と名付けた理由です。✔「キャッシュ・フロー予算制度」の構築と本書の位置づけ筆者は「会計士・税理士」時代に3年(1996年から1999年)をかけて、約240枚のエクセルシートを使い、製造業を前提とした予算キャッシュ・フロー簡易自動作成システムを構築しました。これを書籍にまとめ、2000年10月に『企業予算編成マニュアル』(共著、清文社)として発刊しました。これは幸い読者のご好評を得て、4回の増刷を重ねることができました(現在は品切れ)。2012年3月には、卸売業を前提とした『予算会計-将来キャッシュ・フロー経営を可能にする財務諸表作成マニュアル-』(共著、清文社)を発刊しました。本書はその改訂増補版です。これまで、多くの上場会社の経理の方や経営企画の方と率直な意見交換をしてきましたが、こんな意見を多く耳にしました。「たしかに、本来はキャッシュ・フロー予算をつくるべきなんだけど、実際に部門別の月次のキャッシュ・フロー予算を構築し、運用するのは難しいですよね。…」ところが、東芝がキャッシュ・フロー予算に基づく業績評価制度を導入することを発表して以降、上場会社の間で急速に「キャッシュ・フロー予算制度」の導入検討が始まって(5)

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