〈入門〉建設業会計の基礎知識
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費用の代表は「売上原価(仕入原価)」、「給料」、「交通費」、「通信費」などです。4.複式簿記の意義とその基本用語それでは、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)がどのようにして作成されるのかについて説明しましょう。企業の日々の経済活動について会計数値を使って記録する方法は「簿記」と呼ばれますが、企業会計に使用される簿記は、「複式簿記」という少し進んだ技法を使います。また、建設業に適用される簿記は、「建設業簿記」といってよいでしょう。⑴簿記の意味会計の基本的な機能を説明する用語に、「計入制出」と「計出制入」という語があります。「計入制出」は「入るを計って出ずるを制す」と読み、「収入の範囲内でやり繰りして損を出さないように気をつけましょう」といった意味です。これが企業会計の本質を表しているといわれています。これに対して、「計出制入」は「出るを計って入るを制す」と読み、「どのような支出が必要だから、それを回収するための適切な収入を確保しましょう」といった意味です。これは国家や地方自治体のような公的機関の会計を表しているといわれています。いずれにしても、国家であれ企業であれ家庭であれ、収入と支出を管理するために記録しておくことが不可欠です。これらの記録するノートは、一般的に「帳簿」と呼ばれます。そして、この帳簿記入の技法が「簿記」であり、企業会計に利用される簿記は、少し高度な「複式簿記」といわれる技法を使います。当然、その記録の方法には一定のルールがあり、そのルールを知ることが簿記の学習ということになります。⑵簿記の重要性企業活動の目的は前述しましたが、企業の日々の経済活動は、常に網羅的に記録していく必要があります。日記をつけるようなものですが、日々の出来事9

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