小売業のための基礎からわかるIFRSのポイント
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167第3章小売業におけるIFRSの導入 具体的には成果物完成や報告会など、プロジェクトにおける主要な到達点を設定します。最終目標は会社に対する影響度の評価ですが、短期的な作業目標を設定し、締切りを設定することで進捗を把握しやすくします。[2]実施内容の明確化 それぞれの担当に何をして欲しいのか、作業内容の要件を定義します。 実施項目を進捗管理できるレベルで、できるだけ詳細に細分化して列挙します。具体的には、収益認識、棚卸資産、有形固定資産、連結などの実際の調査項目単位で日程を決定します。[3]役割分担の明確化 影響度調査には多くの関係者が存在します。 このため、責任者、担当者、また監査法人及び外部アドバイザリー会社の関与の仕方など、それぞれの役割を意識することが大切です。 なお、自社と監査法人及び外部アドバイザリー会社とのかかわり方は通常は提案・契約の段階で決定することとなります。自社内でIFRSに関するノウハウやツールを持たない段階ですので、影響度調査は監査法人及び外部アドバイザリー会社が主体となるケースが多くなります。[4]工数見積りの実施 計画当初は概算で見積ることになります。日常のコミュニケーションから想定される工数を記載し、全体の工数を取りまとめます。 また監査法人及び外部アドバイザリー会社を利用する場合には支払報酬額等について予め合意しておく必要があります。[5]実施日程の調整 [1]~[4]を考慮した上で、各担当部署の責任者に日程調整を依頼します。会社の状況にもよりますが、この段階ではプロジェクト担当者もまだ決まっておらず、経理部担当者が兼任することも多いため、決算等の日程と重ならないように調整を進める必要があります。また実施した結果、再調査が必要になる場合もあるため、予備日程についての取扱いも決めておくことが必要です。

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