実践 建築の企画営業
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3313建物の老朽化不安・陳腐化不安にどう答えるか 331す。リノベーションの一例を挙げると、住宅では、「バリアフリー化」や「住宅用エレベーターの設置」「インターネット」など、新築当初には必要がなかったものの現在は必要とされる住宅機能です。昔の2DKタイプを1LDKタイプに変えるのもリノベーションの一つです。しかし、実際はっきりした定義が決まっているわけではありません。一般的にリノベーションという言葉からイメージするものは、「心機一転ガラッとイメージを変えた、やや大掛かりでおしゃれな現代的印象のリフォーム」といったところでしょう。賃貸住宅で「リノベーション」というと、入居者に対して素敵な住まい方を提案するときにもよく使われます。リノベーションした部屋に案内してみると顧客が一目で気に入って入居を決める、そんな部屋が続出というイメージがあるかもしれません。時代の要求に合わせてリノベーションができなくなった時期が、建て替えを考える一つのタイミングと考えられます。たとえば、平均身長が大きくなった現在では、昔ながらの高さ180cmの玄関扉やバルコニーに出るサッシは、不人気の一つですが、階高と梁の高さは動かせず、大きくすることは不可能です。もはや現代の要求に応えられないため、建て替えを考える大きな要因になるでしょう。3 リペア・リフォーム・リノベーションと建て替え 前述したように、リペアを繰り返していくだけだと30年、40年後には空室が目立ち、建て替える選択肢しかなくなります(CASE-1)。しかし、リフォー図表13―2 リペア・リフォーム・リノベーションの考え方性能時代とともに変化していく要求性能補修 (リペア)改修 (リフォーム)経年要求水準を満たすことが困難な時期陳腐化老朽化リノベーション

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