実践 建築の企画営業
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 ま え が き建築・不動産会社の生き残り策とは―― 成熟社会・人口減少社会と言われて久しい昨今、建築・不動産業界は大きな節目を迎えています。成長社会・人口増加社会でないと建築・不動産業界は活性化しません。人口減少社会では、現在ある建物や不動産でさえ不要になってしまいます。 それでは建築・不動産業界はなくなるのかといえば、そうはなりません。建物は時間とともに劣化し、いつかは朽廃してしまうからです。 昭和30年代の高度成長期に建設会社が竹の子のように乱立したことで、建設業界の需要と供給のバランスは崩れており、社会的な構造不況は今後ますます助長されると予測できます。不動産業でも、優良物件とそうでない物件の二極化が助長され、優良物件数は激減しています。その結果、単に物件情報を右から左へ流すだけでなく、コンサルティングという味付けを加えなければ生き残れない時代になりつつあります。 このような時代でも淘汰されることなく生き残る企業も少なくありません。また、新たなアイデアを持った企業も次々と参入してくることでしょう。 建築・不動産の価値を創り出す、といったら大げさかもしれませんが、これまでのように依頼者の要望を反映させるだけでは生き残りは難しいのです。今後は社会の要望を実現させるため、土地所有者や投資家に対して提案やコンサルティングを行う「アクティブな営業」が必要になるのです。必要な力は―― このような状況下において必要不可欠なのが、「企画力」と「情報力」です。

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