未分割申告の税実務
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5争い案件である未分割申告の特徴と留意点2未分割申告案件は、相続人間の遺産分割争いにより発生するケースが多いと思いますが、そのような争い案件の特徴と留意点を教えてください。争い案件では、相続人間でコミュニケーションが取れない可能性が高いため、税理士のアレンジ能力が重要になります。当方の弁護士や先方の弁護士及び税理士などと適切に協議しながら案件を遂行していく必要があります。(1) 争い案件のパターン①二以上の相続税申告書を提出する場合 このパターンについては、相続人ごとに別々の税理士に頼んでいるため、初回の面談も一方の相続人のみと面談することになります。また、相続人間でコミュニケーションが取れていない場合が多く、争いも長期化する傾向にあります。さらに、二以上の相続税申告書が税務署に提出されているため、一つの相続税申告案件で課税価格が二以上存在することとなり、税務調査に発展する可能性も高くなります。 このような場合には、先方の相続人の弁護士や税理士とコミュニケーションを取りながら各々の申告書の摺り合わせを行い、なるべく同じ課税価格、同じ内容の相続税申告書を提出するように心がけるべきです。②一つの相続税申告書を提出する場合 相続人間でなんとかコミュニケーションは取れていますが、双方の意向が一致せずに、相続税の申告期限までに遺産分割がまとまらない場合です。このよ

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