広大地評価はこう変わる
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№3-1 ● 路線価評価方式と不動産鑑定評価43⑶ マンション適地の判定 評価対象地について、中高層の集合住宅等の敷地、いわゆるマンション適地等として使用するのが最有効使用と認められるか否かの判断は、その土地の周辺地域の標準的使用の状況を参考とすることになるのであるが、戸建住宅とマンションが混在している地域(主に容積率200%の地域)にあっては、その土地の最有効使用を判断することが困難な場合もあると考えられる。(中略)(アンダーラインは筆者による)(注) 「土地価格比準表」は、多くの不動産鑑定士が利用しているものですが、そもそも国土利用計画法による土地価格の審査の適切な運用を図るために策定されたもので、地価公示価格や取引事例価格から、対象地の評価額を求める際の地域要因の比較及び個別的要因の比較を行う場合に使用されるものです。平成17情報(略)2 現に宅地として有効利用されている建築物等の敷地  前記の情報第2号「2 広大地の評価」(抜粋)のとおり、「大規模店舗、ファミリーレストラン等」は、「現に宅地として有効利用されている建築物等の敷地」であることから、広大地に該当しないこととしている。 これは、比較的規模の大きい土地の有効利用の一形態として大規模店舗等を例示的に示したものである。したがって、大規模店舗等の敷地がその地域において有効利用されているといえるかどうか、言い換えれば、それらの敷地がその地域の土地の標準的使用といえるかどうかで判定するということであり、いわゆる「郊外路線商業地域」(都市の郊外の幹線道路(国道、都道府県道等)沿いにおいて、店舗、営業所等が連たんしているような地域)に存する大規模店舗等の敷地が、この 「現に宅地として有効利用されている建築物等の敷地」に該当する。  一方、例えば、戸建住宅が連たんする住宅街に存する大規模店舗やファミリーレストラン、ゴルフ練習場などは、その地域の標準的使用とはいえないことから、「現に宅地として有効利用されている建築物等の敷地」には該当しない。(中略)4 マンション適地の判定 評価しようとする土地が、課税時期においてマンション等の敷地でない場合、マンション等の敷地として使用するのが最有効使用と認められるかどうかの判定については、その土地の周辺地域の標準的使用の状況を参考とすることとなる。しかし、戸建住宅とマンション等が混在する地域(主に容積率200%の地域)は、最有効使用の判定が困難な場合もあることから、このような場合には、周囲の状況や専門家の意見から判断して、明らかにマンション等の敷地に適していると認められる土地を除き、広大地に該当する。 一方、容積率が300%以上の地域内にあり、かつ、開発許可面積基準以上の土地は、戸建住宅の敷地用地として利用するよりもマンション等の敷地として利用する方が最有効使用と判定される場合が多いことから、原則として、広大地に該当しないこととなる。 地域によっては、容積率が300%以上でありながら、戸建住宅が多く存在する地域もあるが、このような地域は都市計画で定めた容積率を十分に活用しておらず、①将来的に戸建住宅を取り壊したとすれば、マンション等が建築されるものと認められる地域か、あるいは、②何らかの事情(例えば道路の幅員)により都市計画法で定めた容積率を活用することができない地域であると考え

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