歯科医院の上手なたたみ方・引き継ぎ方
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52でしょう。 逆にいうと、閉院の意思決定時点で受け持っている矯正やインプラント患者の残りの治療期間を考慮して、その治療完了時点で閉院することができるのであれば、それがベストなタイミングとなります。 むし歯治療中の患者であれば、治療完了まで診療を続けるようにします。むし歯の程度にもよるかとは思いますが、新規の患者であっても2週間から1か月程度あれば治療を終えることができますので、むし歯患者については閉院の1か月前くらいまでは受け入れが可能です。しかし、もし仮に、閉院時に印象・形成の段階であったり未装着物等がある場合には、他の歯科医院を紹介する必要があります。 また、治療期間が長期にわたる矯正やインプラントの場合には、閉院を意識し始めてからは新規患者を受け付けないことをお勧めします。インプラント治療を開始した場合において、人口歯根の定着までの約半年間の間に閉院してしまう場合は、引き受けてもらえる歯科医を探すことが困難となります。 この期間に閉院せざるを得ないような場合には、まずは後輩や知人の歯科医師に引き受けの依頼を検討します。それでも見つからない場合には歯科医師会に紹介先のあっせんを依頼することとなりますが、取り扱うインプラントが歯科医院によって異なるなどの理由から、閉院後の紹介先を探すことが難しく時間を要します。紹介先が見つかった場合には、コネクトの内容物の説明など丁寧な引き継ぎを心がけてください。また、患者から預かった前受金がある場合には、引き継ぎ先へ契約金額、着手金額を明確にし、場合によっては患者への返金を行うなど、収入の帰属についてもしっかりと決めておくことで、トラブルにならないようにする必要があります。 また、矯正、入歯などは、不具合を治す期間について個々の歯科医師に

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