譲渡所得課税をめぐる費用認定と税務判断
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第1章 譲渡所得とは21譲渡所得の概要1譲渡所得の意義譲渡所得とは、資産の譲渡(土地に関する一定の権利の設定等のうち特定のものを含みます。)による所得をいいます(所法33①)。ただし、棚卸資産等の譲渡による所得は譲渡所得には含まれません(所法33②)。2譲渡の意義譲渡とは、有償無償を問わず、所有資産を移転させる一切の行為をいい、次に掲げる行為をいいます。(1)有償譲渡・・・‌通常の売買のほか、交換、競売、公売、収用、買取り、買収、買入、換地処分、権利変換、代物弁済、財産分与、物納、現物出資(法人に対するものに限ります。)、負担付贈与(贈与者が受益者となるもの)、低額譲渡、代償債務の履行、共有物の分割、売却、その他(2)無償譲渡・・・‌贈与(負担付贈与に該当するものを除きます。)、寄附、遺贈用語の解説1代物弁済代物弁済は、債権が存在すること、本来の給付と異なる他の給付をなすこと、給付が弁済に代えてなされること及び債権者の承諾があることが要件となっており、債務者が債権者の承諾を得て、その負担した給付に代えて他の給付をしたときは、その給付は、弁済と同一の効力を有します。例えば、甲から500万円借りている乙が、500万円の支払に代えて自動車1

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