譲渡所得課税をめぐる費用認定と税務判断
22/38

1 譲渡所得の概要3台を甲に給付して500万円の債務を消滅させるというような契約をいいます(民法482)。2財産分与財産分与とは、夫婦が離婚したとき、相手方の請求に基づいて一方の人が相手方に財産を渡すことをいいます(民法768)。財産分与が土地や建物などで行われたときは、分与した人に譲渡所得の課税が行われることになります。この場合、分与した時の土地や建物などの時価が譲渡所得の収入金額となります(所基通33-1の4)。次に分与を受けた人は、分与を受けた日にその時の時価で土地や建物を取得したことになります。したがって、将来、分与を受けた土地や建物を売った場合には、財産分与を受けた日を基に、長期譲渡になるか短期譲渡になるかを判定することになります。3現物出資法人に現物出資した場合も資産の譲渡になり、所得税の課税対象となります。この場合の譲渡所得の収入金額は、出資した不動産の時価ではなく、現物出資により取得した株式や出資持分の時価となります。ただし、その価額が出資した不動産の時価の2分の1未満の場合は、出資した不動産の時価が収入金額とみなされます。4負担付贈与負担付贈与とは、対価としての意味を有しない一定の給付をすべき債務を受贈者に負担せしめることを付款とする贈与契約をいいます。例えば、家屋を贈与するが、家屋の建築に係る借入金の未返済額の支払を承継させるというような契約当事者(贈与者、受贈者)において主観的対価関係にない贈与契約です。負担付贈与の受益者は第三者に限られることなく、贈与者自身であることも可能です。負担付贈与(贈与者が受益者となるもの)は、受贈者が負担することで贈与者に帰属する金銭等その他経済的利益を、贈与した資産(喪失)の対価

元のページ 

page 22

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です