譲渡所得課税をめぐる費用認定と税務判断
33/38

 3 取得費がわからないとき3053. 取得費がわからないとき(1)売却した土地建物等が先祖伝来のものであったり、購入した時期が古いなどのため取得費が分からない場合には、取得費の額を売却した金額の5%相当額とすることができます(注1)。また、実際の取得費が売却した金額の5%相当額を下回る場合も5%相当額とすることができます。もっとも、土地建物等を売却した金額の5%相当額が実際の取得費に満たない場合で、かつ、その実際の取得費が証明できるときは、その土地建物等の取得費は実際の取得費によることができることとされています。(注1) 租税特別措置法第31条の4(長期譲渡所得の概算取得費控除)第1項の規定については、概算取得費の適用できる資産の範囲を昭和27年12月31日以前から引き続き所有していた土地建物等に限定し、昭和28年1月1日以後に取得した土地建物等の取得費についてはその適用がないものとしていますが、昭和28年1月1日以後に取得した土地建物等の取得費について概算取得費の特例を適用しても、納税者の利益に反しない限り、昭和27年12月31日以前から引き続き所有していた土地建物等と昭和28年1月1日以後に取得した土地建物等の取得費の計算方法を異にしなければならない特段の理由が存在しないことから、昭和28年1月1日以後に取得した土地建物等の取得費についても、同項を適用しても差し支えないものとされています(措通31の4-1)。   なお、譲渡資産が土地建物等以外の資産(通常、譲渡所得の金額の計算上控除する取得費がないものとされる土地の地表又は地中にある土石等並びに借家権、営業権、漁業権等を除きます。)である場合の取得費の計算については、所得税基本通達38-16(土地建物等以外の資産の取得費)に、その収入金額の5%相当額を取得費として差し支えないこととする取扱いが定められています。(2) 建物及び土地について、それぞれ次のとおり、着工建築物構造別単価(府県別)及び着工建築物工事費補正率並びに市街地価格指数を活

元のページ 

page 33

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です