租税回避をめぐる税務リスク対策
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第1編において、ヤフー・IDCF事件およびIBM事件の各裁判において示された「不当性要件」の意義および各事件における具体的なあてはめについての裁判所の判示内容を詳述したが、ヤフー・IDCF事件最高裁判決が示した「濫用基準」についても、また、IBM事件に関して第一審判決および控訴審判決が示した「経済的合理性基準」についても、その具体的な内容は必ずしも明確とまではいえず、実務上、具体的な取引や組織再編成に係る行為について、それらの基準に該当し、否認の対象となるのか否かを判断することは必ずしも容易であるとはいえないように思われる。本編においては、ヤフー・IDCF事件およびIBM事件について、実務的な観点から検討を加えることにより、ヤフー・IDCF事件およびIBM事件の各裁判において示された「不当性要件」の意義に関して、実務の観点から参考となると考えられる点について検討を行うこととする。第2編「不当性要件」についての実務的な観点からの検討

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