調査官目線でつかむ セーフ?アウト?税務調査
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10マダムA:で、どうなの?落ち着いた?マダムB: 四十九日のときに遺言状を開けたんだけどね。「宇都宮の家は、お妾さんに渡す」って書いてあったのよ。マダムA:え〜!お妾さんがいたの? それじゃあ、相続税が結構、大変なんじゃない?マダムB: そうなのよ〜。父の顧問税理士さんったら、何にも提案してくれなくって。ねぇ、どなたか節税に強い税理士さん、ご存知なくって?本当に悲しい性さがなのですが、このとき、筆者はつい聞き耳を立ててしまっていました。会話の中には、マダムBさんの名前も、お父様が経営されていた会社の名前も出てきました。もし、このマダム二人の隣に、調査官が座っていたとしたら、どんなことが起こるでしょうか?きっと、その調査官は、おもむろにスマートフォンを取り出し、メールをチェックしているふりをしながら、マダム二人の会話の要点をメモすると思います。そして、そのメモの内容は、調査官が税務署に戻った後にKSKに入力されることになるのです。このように調査官達は、税務調査の行き帰り、職場への通勤途中、はたまた、家族でレジャーに出かけた先であっても、調査官のセンサーを働かせ、情報を集めているのです。

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