『営業経費』の税務判断
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病院や介護事業を営む個人事業者とそれ以外の事業を営む個人事業者によって、事業所得の係る必要経費の範囲等に違いがあるかという点については、第1章において説明したように、社会保険診療報酬に係る必要経費の特例(措法26)を除けば、事業所得の金額の計算構造自体に基本的な差異はありません。したがって、本章では、まず、事業所得に係る必要経費について争われら裁判例をもとに、所得税法37条(個人事業者の場合は同法のほか同45条及び所得税施行令96条1号も関係しますが)の解釈の違いを取り上げます。その後、このような問題があることを前提に、個人事業者にとって、調査時などに最も指摘されやすい家事費及び家事関連費、青色事業専従者給与など、病院や介護事業等に係る必要経費の問題について、これまで裁判例や裁決事例で明らかにされた争点(問題点)を取り上げ、それについて示された判断等をできる限り取り入れながら説明することとします。第2章Q&A個人事業者に係る必要経費52

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