『営業経費』の税務判断
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た費用であっても、弁護士会等の役員等の業務の遂行上必要な支出であったということができるのであれば、その弁護士の事業所得を生ずべき業務の遂行上必要な支出(一般対応の必要経費)に該当するものと判断したものである」とされています。さらに、争点となった必要経経費の多くを占めていた懇親会費等について、「懇親会等の開催目的に応じて役員等の業務の遂行上必要であったか否かを判断」(注)していることからすると、他の場合でも上記東京高裁の判断が通用するものと考えることはできないように思われます。以上の点を踏まえると、具体的な処理に当たっては当面、上記Answer記載の解釈を念頭に事業所得に係る必要経費として算入できるものか否かを判断していくことが賢明であると思われます。(注)「」内は判例タイムズ1387号・190頁から引用(判決事例)弁護士会等の役員等を務めていた納税者が、これらの役員等としての活動に伴い支出した懇親会費等について、自らの事業所得の計算上必要経費に算入できるか否かが争点となった事例です。上記(2)に関係する部分について、裁判所が示した判断は次のとおりです。「被控訴人(筆者注:税務署長)は、一般対応の必要経費の該当性は、当該事業の業務と直接関係を持ち、かつ、専ら業務の遂行上必要といえるかによって判断すべきであると主張する。しかし、所得税法施行令96条1号が、家事関連費のうち必要経費に算入することができるものについて、経費の主たる部分が「事業所得を……生ずべき業務の遂行上必要」であることを要すると規定している上、ある支出が第2章Q&A個人事業者に係る必要経費56

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