税理士が使いこなす 改正国税通則法
14/22

 直接認定型とは、ある証拠から、直接、課税要件事実を認定する方法である。XとYの贈与契約書から、XからYへの贈与の事実を認定する、というやり方がこれにあたる。直接認定型の場合、その直接証拠が信用できるものであれば、直ちに、課税要件事実を認定できる。それゆえ、直接証拠の信用性が、重要となる。先の例でいえば、贈与契約書が信用できるか否かが、事実認定上、重要である。直接認定型 X(個人)が、平成25年12月31日に、Y(個人)に対して、100万円を贈与する旨の合意をした(課税要件事実)    認定 平成25年12月31日付のXとYとの贈与契約書 ⇐ 信用性が問題(直接証拠) 間接推認型とは、証拠から、課税要件事実とは別の事実(間接事実)を認定し、その別の事実(間接事実)に経験則を適用して、課税要件事実を推認する方法である。Yの預金通帳から、Xの預金口座にYの預金口座から振込みがあったという事実を認定し、その事実から、XとYの間の贈与を推認する、というやり方である。直接認定の場合と異なり、証拠が信用できるか、という点だけではなくて、経験則による間接事実から課税要件事実を推認することができるか、また、それとは別の間接事実によって推認が妨げられないか、という点も問題となる。間接推認型 X(個人)が、平成25年12月31日に、Y(個人)に対して、100万円を贈与する旨の合意をした(課税要件事実)      推認:推認の可否の問題 ← 同日にXY間で売買契約がある                   反証:反証の可否の問題 同日に、Y名義の口座からX名義の口座に100万円の振込みがある    認定 X名義の預金通帳 ← 信用性が問題47第3節課税要件論

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 14

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です