改正個人情報保護法と企業実務
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12第2節 改正法の概要おいて個人情報取扱事業者から除外されていた小規模事業者の数についての正確な統計は不見当であるが、中小企業基本法における小規模事業者(製造業においては従業員20人以下、商業・サービス業においては5人以下)に該当する企業は、全企業の86.5%(334万社)を占める(2012年の統計(※))。※ 第7回 パーソナルデータに関する検討会 「『個人情報』等の定義と『個人情報取扱事業者』等の義務について(事務局案)<詳細編>」(2014年4月16日) すなわち、旧法の下では、数の上ではかなりの事業者が、個人情報取扱事業者から除外されていたことになる。 今回の改正により、これらの小規模事業者が一斉に個人情報取扱事業者となり、個人情報保護法のさまざまな義務を課せられることになるから、この点の改正は社会的には非常に大きな影響があるものといえる。3個人情報保護委員会の新設 旧法においては、事業分野ごとの主務大臣が個人情報取扱事業者を監督していたが、改正法により、この権限が個人情報保護委員会に一元化されることになった(前記8頁)。 個人情報保護委員会は、いわゆる三条委員会と呼ばれる政府から独立性の高い委員会である(公正取引委員会や国家公安員会と同様である)。 個人情報保護委員会の権限のうち、企業実務にとって重要なのは、立入検査権があることである(法40条)。これは旧法の主務大臣には認められていなかった権限である。改正法の下では、個人情報保護法に違反している疑いがある場合などに、立入検査を受ける可能性があるから注意が必要である。 なお、個人情報保護委員会は、その権限を、事業所管大臣に委任することができることになっている(法44条)。主として、金融分野、情報通信分野、医療分野で委任されることになると考えられる。

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