間違わない!事業承継Q&A
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191第2節 経営権をだれに引き継がせるか2家族・親族に引き継がせる場合 家族や親族に引き継がせる場合、生前に株式を譲渡する方法のほか、相続によって引き継がせることができます。具体的には本章第3節以下に記載しますが、現在の経営者が死亡すると同時に相続が発生します。 相続時には、法定相続分に従って、財産と同様に株式も分割されます。ただし、この場合、株式分散のリスクが伴いますので、遺言書等の作成をおすすめします。3会社の役員や従業員に引き継がせる場合 家族・親族ではなく、会社の役員や従業員に会社を引き継がせる場合は、株式譲渡契約書を締結し、株式を取得させることが考えられます。 方法としては、存命中に株式譲渡契約書を締結すること、また、死亡と同時に引き継がせる方法として、遺贈、死因贈与という方法も考えられます。4第三者への売却 第三者に引き継がせる方法も考えられます。 これは、いわゆる「M&A」という手法で、第三者に会社の株式を正当に評価してもらい、購入してもらう方法です。 通常、買い手側が財務監査、法律監査等のデューディリジェンスを行い、会社の価値を判断します。近年では、会社を売る側においても会社の価値を正当に提示する手法が必要であると言われています(図表4-6参照)。

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