中小企業のための事業承継ハンドブック
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Ⅱ 事業承継スキームと関連法規166Q3-10.相続人等に対する自社株式の売渡請求制度相続人等に対する自社株式の売渡請求制度について説明してください。Answer▲ポイント⃝株式会社は、相続等により当該株式会社の譲渡制限株式を取得した者に対して、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができます。⃝売渡請求は株主総会の特別決議により決定されます。その後、相続人等に対して売渡請求を行いますが、売渡請求には期限があることや財源規制があることなどの留意点も存在します。⃝後継者自身に相続が生じた場合にも、当該制度の適用が可能なため、対策が必要となります。1.相続人等に対する自社株式の売渡請求制度の概要 株式会社は、相続や合併等の一般承継(以下、「相続等」という。)により当該株式会社の譲渡制限株式を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができます(会174)。すでに説明したように、株式に譲渡制限を付すことで後継者に対して敵対的な者に対して株式を分散させないように対策を講ずることはできますが、株式の譲渡制限はあくまで「譲渡」に係る制限ですので、「相続等」には適用されません。この結果、株式に譲渡制限を付していた場合においても、相続等が生じた場合には、後継者に対して敵対的な者に対して株式が渡る可能性があり、これが事業承継の弊害となる可能性があります。 そこで、この対策として相続人等に対する自社株式の売渡請求制度を用います。つまり、仮に相続等によって後継者に対して敵対的な者に対して株式が承継される場合、当該売渡制度を用いることで、会社がその株式を買い取る(相続人等はこれを拒否できません。)ことにより、後継者にとって望ましくないものへの株式の分散を避けることができます。

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