歯科医院のマネジメント読本
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刊行にあたって経営とは「環境への適合行為」ともいわれます。歯科医院経営も決してその例外ではありません。経営者、すなわち院長は、医院を取り巻く環境変化に留意し、適切な対応をとりつつ日々の診療活動を継続していかなければなりません。資金繰り、患者確保、医院スタッフの安定雇用とレベル維持、診療技術の変化への対応など、院長が取り組むべき課題は数え上げれば枚挙にいとまがないほどです。さらには、超高齢社会への対応も必要となります。とりわけ「地域包括ケアシステム」においては高齢者の健康維持に口腔衛生の重要性が謳われるなど、歯科医院は今、従来型の経営から脱却し、新たな経営スタイルを構築すべき時にあるともいえます。このように、経営に終着点はなく、院長には絶えず変化への対応が求められるのです。一方で、歯科医師数は年々増加の一途を辿り、競合環境はその厳しさを増すばかりです。すでに歯科医師過剰とされるなかで歯科診療報酬の伸びは鈍く、歯科医院経営は今後急速に二極分化が進むという予測もあるほどです。しかしながら、このようななかでも患者数を増やし、着実に利益を上げる歯科医院も多数存在します。そして、これら歯科医院の成功要因の一つに、冒頭に記したような「経営的視点の尊重」と「迅速な対応」があるといえます。ヒト、モノ、金、情報、技術といった経営資源を有機的に活用して、経営環境の変化に敏感に反応しつつ経営効率を最大化しているのです。本書は、歯科医院経営に特化したメディカル・マネジメント・プランニング・グループの主要メンバーがその30年以上に及ぶ経営指導ノウハウを駆使して取りまとめた歯科医院経営の指南書です。本書では、歯科医院経営者が最低限押さえておくべき基本的事項から経営効率最大化のための戦略的経営ノウハウまでをわかりやすく解説しています。診療技術が高いだけでは経営が成り立たない時代、院長のマネジメント能力向上のお役に立てれば幸いです。最後に、本書の編集にご尽力賜りました株式会社清文社の杉山七恵氏に深甚より感謝申し上げます。平成29年1月メディカル・マネジメント・プランニング・グループ 理事長川原 丈貴

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