社長に“もしものこと”があったときの手続すべて
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002社長に突然“もしものこと”があった場合、役員や従業員は悲しみや不安で戸惑うことが予想されますが、会社は事業を滞りなく継続していかなければなりません。そのためには速やかに後任の社長を選任して新たな経営体制を構築し、従業員をはじめ関係先に周知することによって動揺を最小限にとどめることが肝心です。取締役会の開催と新社長の選任取締役会を設置している会社の場合、残った取締役が3名以上いれば、取締役会で後任社長の選任決議をすることができます。あるいは、取締役会規則で、社長に事故があった場合の手続きについてあらかじめ決めている場合は、それに従います。しかし、残った取締役が3名未満になった場合には、まず株主総会を開催して新たな取締役を選任し、そのうえで改めて取締役会において後任社長を選任することになります。いずれの場合にも、後任社長の決定について取締役会議事録を作成し、法務局へ代表者変更の登記を申請する必要があります。██取締役会規則の一例(取締役会の招集権者および議長)第○条 取締役会は、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役社長が招集し、議長となる。2.取締役社長に事故があるときは、前項の招集者および議長は次の順序とする。第1順位 専務取締役 第2順位 常務取締役社長職務代行者の選任後任社長の選任に時間を要する場合は、その間の業務に支障が出ないように、役員や幹部職員が協議のうえで社長の業務や決裁を代行する者を選任します。通常、社長に準ずる席次の取締役が就任するケースが多いようです。また、代行者には法律上の代表権はありませんから、重要な契約などは後任社長が選任されるまで猶予してもらうことになります。第1章社長が亡くなった直後に行う手続き1.代行者の選任と従業員への説明社長が突然亡くなった場合、できるだけ速やかに後任社長を選任して、新しい経営体制を社内外に周知し、会社の運営や将来に対する不安を払拭することが肝要です。

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