社長に“もしものこと”があったときの手続すべて
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010社葬費用は、会社の経費として認められるか税務上、「社葬を行うことが社会通念上相当である」と認められ、かつ、「社葬のために通常要すると認められる費用」であれば、「福利厚生費」として経費(損金)に算入することが認められています。(法人税基本通達9-7-19)法人が、その役員又は使用人が死亡したため社葬を行い、その費用を負担した場合において、その社葬を行うことが社会通念上相当と認められるときは、その負担した金額のうち社葬のために通常要すると認められる部分の金額は、その支出した日の属する事業年度の損金の額に算入することができるものとする。社葬を行うことが社会通念上相当である場合とは亡くなった社長の生前における会社への貢献度(会社における経歴、職務上の地位)や死亡事情(業務上、業務外の区別)に照らし、会社が社葬費用を負担するに足る十分な理由があれば、経費(損金)として認められます。したがって、会社への貢献がないのに単に親族であるという理由だけで社葬を執り行っても、福利厚生費として損金処理することは認められません。社葬費用のうち遺族が負担すべきもの社葬費用は、社葬を行うために直接必要なものであり、それ以外の費用については、遺族が負担すべきものとされます。具体的には次のようなものです。・密葬の費用 ・仏具、仏壇の費用・初七日の費用・墓地霊園の費用・四十九日の費用・戒名料・香典返しなどの返礼に要した費用・納骨の費用遺族が負担すべきこれらの費用を会社が第1章5.社葬やお別れの会の費用に係る税務社葬やお別れの会を会社負担で開催する事例は少なくありませんが、要した費用の全額が会社負担になるわけではありません。当然に遺族が負担すべき費用もありますから、税務上も両者の線引きを明確にしておく必要があります。

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