図解でわかる新民法〔債権法〕
16/30

3総論編 今、なぜ民法改正なのか1 そもそも民法とは何か民法は、私人間の法律関係について規律する法です。その制定法である日本の「民法典」は、一般的な人々の経済的な利害の法律関係、財産に関する法律関係等について定めている基本法といえます。民事法の一般的なルールをカバーするだけでなく、会社法、労働法、民事訴訟法等の公的色彩を含む領域や、税法等の公法、財産的法益を守る刑事法分野に及ぶ他の法領域の基礎にもなっています。この点で、民法は日本の法体系の中核をなす極めて重要な法分野だといえるでしょう。特にビジネスに携わる人たちにとっては、日常的な取引や契約等を規律するものでもあり、特別な法律がない場合や、基本的な法的枠組みは、民法に立ち戻って検討する必要があります。しばしば取引はゲームに喩えられますが、民法はそのゲームの基本的なルールを定める役割を果たすものです。その意味で、あらゆるビジネスマンがとりあえず理解しておくべき基本的なコンセプトが、民法に盛り込まれているのです。⑴ 「債権の行使」と「債務の履行」民法の世界では、それぞれの当事者がどういう権利や義務を有しているかを、明確に理解する必要があります。「権利」とは、誰かに対して何かをすることを要求することができるもので、法的な効力を有するものです。その逆に、法的に何かをしなければならないことが「義務」となります。したがって、一つの関係を一方から見た場合の権利が、他方から見ると義務になります。今回の改正の対象である債権法では、債権者が債権(権利)を有する者であり、債務者が債務(義務)を負う者となります。債権と債務とは、相手との間で相互に裏表の関係になります。そこで、本書では、ある債権債務について、債権者が債務者に対して有する債権を赤色の太矢印で示す場合に、その矢先は相手方の債務者や資産等に向けられる形で表示し、その債務を負う債務者が債権者に対して有す そもそも民法とは何か そもそも民法とは何か

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る