図解でわかる新民法〔債権法〕
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104今回の改正では、「取消し」ではなく、「無効」とする考え方が採用されました(なお、「無効」と「取消し」の違いは本章8(120頁)参照)。3 錯 誤これまで錯誤無効を短い条文で定めていた民法95条は、錯誤による意思表示を「無効」ではなく、取り消しうるものに改めます。取り消しうる意思表示は、「意思表示に対応する意思を欠く錯誤」(表示の錯誤)又は「表意者が法律行為の基礎とした事情についてのその認識が真実に反する錯誤」(動機の錯誤)に基づく意思表示で、「その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである」場合に限られます。このうち、後者の意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていた「動機の錯誤」を表示した場合に限って取り消しうるという現行法の理論を明文化するものです。いずれの場合も、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものである必要があります。つまり、重要でなければ錯誤による取消しはできません。それが重要かどうかは、法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして判断されますが、これは個別の判断になります。そのため、考え方の枠組みは定められますが、その解釈をめぐって争 錯 誤 錯 誤意思表示表示の錯誤動機の錯誤+表示取消権相手方表意者法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要又は

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