士業者のための実は危険な委任契約・顧問契約
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107契約の解除――委任契約・顧問契約を終了させるためにはどうすればいいか第Ⅵ節 契約が有効に成立した場合には、原則として、契約当事者はその契約における合意内容に拘束されます。しかし、契約の相手方が契約上の義務を履行しなかった場合、契約の目的を達成することができなくなった場合、契約に基づく義務の履行が不可能となった場合などには、その契約を存続させ、契約当事者を拘束することは適切とはいえません。 そこで、民法は、一定の場合、契約当事者に契約の解除権の行使を認め、一方当事者が解除権を有するときは、契約途中であっても、相手方に対する一方的意思表示によって契約を解除し、契約を終了させることができる制度を設けています(民540)。この契約の解除に関するルールは、民法改正によって大きく変更されていますので、委任契約・顧問契約を締結する場合には、注意が必要です。 なお、委任契約特有の解除権については、第3章を参照してください。1催告した上で解除する場合(催告解除) (民法第541条関係)(1)改正法の内容現 民 法 (履行遅滞等による解除権)第541条 当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当

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