おかしな数字をパッと見抜く会計術
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66第2章 勘定科目はこう見る! に現場に届いているか確認する行為、すなわち検収行為を伴うプロセスを経た後、掛で購入するからです。これを現金で購入する場合は、支払の事実が確認できる領収書等を添付した支払伺いなどにより、上長の承認を受けた後、支払われることになります。 では、なぜ現金で材料を購入したのでしょうか。急に材料不足が生じ、ホームセンターなどで購入する必要が出てきたのでしょうか。この時考えなければならないのは、本当に必要な材料が必要な量だけ購入されているのか、ということです。通常の材料購買プロセスに従った手続をとれば、これらの点は確認されているはずですが、一般的に小口の経費の支払いプロセスである現金購入では、確認されない可能性があります。そのため、実際に購入したモノの確認(検収行為)が手薄になりがちな管理の弱さを突いて、余分なモノを個人で使用したり、横流ししたりと、不正に利用されることも考えられます。 また、この現金取引の背景を探ってみると同時に、ホームセンターで材料を緊急的に購入しなければならない生産管理の甘さについても、また調べてみる必要があるでしょう。 現金での取引がすべておかしいというわけではありませんが、以下のような取引には注意しましょう。最近では、経費精算も口座振込を利用し、できる限り小口現金取引をしないように工夫する会社も増えてきました。 ●アルバイト代の支払い(なぜ振込にせず、現金を手渡しするのか。) ●手数料の支払い(何に対する手数料か。なぜ現金で渡すのか。) ●会費・寄附金の支払い(どのような団体への支払いか。) ● 仮払金の支払い (仮払いの内容は何か。もちろん出張旅費等の社内規程に基づくものは問題ないが、個人の使い込みに利用されていないか。長く未精算となっていないか。) 領収書に基づいた支払いの場合は、レシートに比べ内容が不明確の場合があるので、実際に何を購入したのか、本当に会社のモノとして購入したのか、適宜確認することが望まれます。【参考】小口現金取引で注意する取引

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