新たな収益認識基準 実務対応
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はじめにほぼ100%の確率で、本年中に新しい収益に関する会計基準が公表される。その基準は従来の日本の収益基準とは革命的といっていいほど異なった様相で登場するはずである。それは、あらゆる業種業態の企業に適用される、統一的な包括的な会計基準である。それはさらに、予測すると、IFRS第15号と双子のようにそっくりな、やたらに理屈っぽい、見積に溢れた会計基準のはずである。2014年5月にIASBよりIFRS第15号 「顧客との契約から生じる収益」が公表され、企業会計基準委員会(以下、「ASBJ」)はそれを出発点として、我が国の包括的な収益認識に関する基準を開発中である。日本版収益認識基準が第15号のコア部分を総括的に取り込んだ会計基準になることは、ほぼ確実であるといえる。IFRS第15号を任意適用している企業はともかく、企業会計原則の実現主義の原則のもと、個々の企業の実態に応じて実務慣行や税法を勘案した基準を選択して会計処理してきた大方の日本企業にとっては、かなり面食らうような会計基準ではなかろうか。そこで本書では、予想される新会計基準をできる限り理解していただきたいと考え、企業の現行の取引のうち、新基準が導入された場合に問題点が生じることが予想される取引事例を選び、①日本基準又は日本基準における実務、②IFRS第15号における取扱い、③会計処理の相違点及び問題点と予想される解決案を検討した。本書の最大の特徴は、難解な翻訳文書で紹介されているIFRS第15号を理解していただくために、豊富な取引事例を随所に取り入れていることである。IFRS第15号は2018年1月1日以降開始する事業年度から強制適用となるため、ASBJはそれに則して新たな会計基準を適用できるようにする

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