実務対応 病院会計
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第2章 貸借対照表262 設例 数理計算を用いた原則的な方法 適格退職年金制度を採用している場合の退職給付会計基準に基づいて原則法により計算する場合の会計処理は以下のとおりである。[前提条件]・適格退職年金制度を採用している。・会計基準変更時差異の費用処理年数は10年としている。・数理計算上の差異の費用処理は発生した翌年度から定額法(5年)で処理する方法を採用している。 (1) 適用初年度(X1年4月1日~X2年3月31日)    期首時点の数理計算による退職給付債務は40,000    当期勤務費用は3,000    期首時点の年金資産の時価は32,000    当期中における掛金拠出額は2,000、年金給付額は1,500であった。    割引率1.5%、長期期待運用収益率3%    期末時点の数理計算結果による退職給付債務は43,000    年金資産の時価は33,000実際×1年4/1退職給付費用年金・掛金支払い予測×2年3/31数理計算上の差異実際×2年3/31退職給付債務(40,000)①(3,000)1500(42,100)(900)(43,000)②(600)年金資産32,000③960(1,500)33,460(460)33,0002,000未積立退職給付債務(8,000)(8,640)(10,000)会計基準変更時差異8,000④(800)7,2007,200未認識過去勤務債務000未認識数理計算上の差異001,3601,360退職給付引当金0(3,440)2,000(1,440)0(1,440) ① 勤務費用とは、一期間の労働の対価として発生したと認められる退職給付である。 ② 利息費用は、期首時点の退職給付債務に対して、期末までの時間の経過によって発生した利息をいう。ここでは、期首退職給付債務40,000×割引率1.5%=600となる。

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