実務対応 病院会計
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 517Ⅱ病院会計準則と医療法人会計基準の相違点実務上の会計処理の効率性を考えれば、期末に相違点についてのみ前項Ⅰの②もしくは③の処理を行うことが一般的であると思われる。そのため、医療法人においては、病院会計準則と医療法人会計基準の相違点を把握しておく必要がある。以下、相違点となる項目について解説を行う。1.損益計算書における区分病院会計準則(病院会計準則第31(損益計算書の区分))医療法人会計基準(運用指針18,19)2.経常損益計算の区分は、医業損益計算の結果を受けて、受取利息、有価証券売却益、運営費補助金収益、施設整備補助金収益、患者外給食収益、支払利息、有価証券売却損、患者外給食用材料費、診療費減免額等、医業活動以外の原因から生ずる収益及び費用であって経常的に発生するものを記載し、経常利益を計算する。18 損益計算書において、事業損益は、本来業務、附帯業務、収益業務に区別し、事業外損益は、一括して表示する。事業損益を区別する意義は、法令で求められている附帯業務及び収益業務の運営が本来業務の支障となっていないかどうかの判断の一助とすることにある。したがって、施設等の会計基準では事業外損益とされている帰属が明確な付随的な収益又は費用についても、この損益計算書上は、事業収益又は事業費用に計上するものとする。 ただし、資金調達に係る費用収益は、事業損益に含めないこととする。19② 運営費補助金のように補助対象となる支出が事業費に計上されるものについては、当該補助対象の費用と対応させるため、事業収益に計上する。

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