キャッシュレス決済のしくみと会計実務
11/34

32ンビニにわざわざ行く必要がなく、支払漏れや支払金額の誤りを防ぐことができる点が挙げられます。また、口座振替を受け付けている企業としても、利用者の利用継続率が高い、未払いのリスクが少ない、クレジットカード決済に比べて手数料率が低い場合が多いといったメリットがあるため、広く普及しています。一方で、支払日に銀行口座の残高が不足している場合には決済されないため、利用者は銀行口座の残高に注意する必要があります。また、利用者は他のキャッシュレス決済を利用していれば得られたポイントなどの還元サービスを受けられないため、あくまで決済を簡略に済ませたいニーズを満たす決済方法であり、企業としても余計な経費がかからない決済方法であるといえます。(2)振込振込とは、口座振替と同様に多くの方が利用しているキャッシュレス決済の手段で、依頼人が受取人の預金口座に送金することを金融機関に委託するものです。金融機関窓口のほか、ATMでもキャッシュカードがあれば容易に振込が可能です。また、近年はインターネットバンキングを利用した振込も増加しています。インターネットバンキングは、金融機関窓口での振込に比べ振込手数料が安いのが特徴です。パソコンやスマートフォンがあればどこでも振込が可能で、順番待ちする必要がなく、窓口やATMでの振込よりも利便性が高いといえます。②クレジットカードクレジットカードを利用した支払いでは、利用者は加盟店で買い物を行い、翌月以降に銀行口座から利用額が引き落としされる後払い式となります。支払方法には一括払い、分割払い、ボーナス払い、リボ払いなどさまざまなものがあるのが特徴です。口座振替のところで説明したように、クレジットカードを利用して毎月の公共料金を金融機関の口座から支払うこともできます。クレジットカードの利用は後払い式で与信機能を有しているため、発行に際して所定の審査が必要になります。また、通常利用額には一定の限度額が設けられています。

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る