キャッシュレス決済のしくみと会計実務
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1742収益認識会計基準による会計処理の設例これまで解説してきた収益認識会計基準によるポイントプログラムの会計処理を説明するものとして、『収益認識に関する会計基準の適用指針の設例』の設例22がありますので、以下で紹介します。[設例22]カスタマー・ロイヤルティ・プログラム1.前提条件(1) A社は、A社の商品を顧客が10 円分購入するごとに1 ポイントを顧客に付与するカスタマー・ロイヤルティ・プログラムを提供している。顧客は、ポイントを使用して、A社の商品を将来購入する際に1 ポイント当たり1 円の値引きを受けることができる。(2) X1年度中に、顧客はA 社の商品100,000 円を現金で購入し、将来のA 社の商品購入に利用できる10,000 ポイント(=100,000 円÷10 円×1 ポイント)を獲得した。対価は固定であり、顧客が購入したA 社の商品の独立販売価格は100,000 円であった。(3) A社は商品の販売時点で、将来9,500ポイントが使用されると見込んだ。A社は、本適用指針第50 項に従って、顧客により使用される可能性を考慮して、1 ポイント当たりの独立販売価格を0.95 円(合計額は9,500 円(=0.95 円×10,000 ポイント))と見積った。(4) 当該ポイントは、契約を締結しなければ顧客が受け取れない重要な権利を顧客に提供するものであるため、A 社は、顧客へのポイントの付与により履行義務が生じると結論付けた(本適用指針第48 項参照)。(5) A 社はX2 年度末において、使用されるポイント総数の見積りを9,700 ポイントに更新した。(6) 各年度に使用されたポイント、決算日までに使用されたポイント累計及び使用されると見込むポイント総数は次のとおりである。X1 年度X2 年度各年度に使用されたポイント4,5004,000決算日までに使用されたポイント累計4,5008,500使用されると見込むポイント総数9,5009,700

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