キャッシュレス決済のしくみと会計実務
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9キャッシュレス決済の概要第1章第2節日本におけるキャッシュレス決済の概況1キャッシュレス決済のこれまでの動向と今後の展望①これまでのキャッシュレス決済の概況世界全体でみると、日本においてキャッシュレス決済の普及はこれまであまり進んでいなかったといえます。2018年4月に経済産業省から公表された「キャッシュレス・ビジョン」によると、金額ベースの日本のキャッシュレス決済比率は2015年時点で18.4%であり、他の先進国と比較すると低い水準となっています。キャッシュレス決済の利用により期待される実店舗での省力化あるいは無人化を進めることは、労働者人口が減少していく中で生産性向上という課題を解決していく上で重要といえます。このような状況の中で、2027年までにキャッシュレス決済比率を4割程度とすることを目指すことが政府より示されました。その後の2019年度予算編成時において、当初の目標は前倒しされ、現在では2025年までに民間最終消費支出に占めるキャッシュレス決済比率4割を実現する目標に修正されています。近年はスマートフォンの急速な普及や機能向上が図られており、それにあわせてさまざまなキャッシュレス決済サービスを提供する決済事業者が増えています。キャッシュレス決済に関するキャンペーンやテレビコマーシャルにより次第にサービスが認知され、現金決済からキャッシュレス決済への転換が図られており、キャッシュレス決済が浸透してきています。

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