ドローン・ビジネスと法規制
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はしがきドローンが「空の産業革命」をもたらすと言われて久しいが、皆さんはドローンにどんな未来を思い描くだろうか。ドローンが家まで荷物を届けてくれる未来だろうか。それともドローンが荷物を運んでくるなど夢物語だと思われるだろうか。しかし、安倍首相が「ドローンを使った荷物配送を可能とする」時期として述べた2018年は、すぐ近くまで来ている。また、ドローンの未来は配送だけではない。例えば農業では、農薬散布だけではなく農地の管理もドローンで行う。高いところにある電線や風力発電施設、橋梁やトンネルの点検にドローンを利用する。測量や土量測定、土木工事の監理にドローンを用いる。地震や火山噴火、原子力発電所事故等の災害時に捜索・救命活動や調査を行う。さらには警備活動、保険事故の調査、気象観測、海洋調査や魚群探知等々、ドローンは比較的容易に、安定性が高く、かつ安価に飛行させることができるものとして、様々な場面での利用が考えられている。まさに「空の産業革命」と言われる所以である。ただ、ドローンは飛行する以上、残念ながら墜落とは常に隣り合わせの存在である。安全に飛行させるためには、どのような場面で飛行させることができるのか、他人の土地の上空を飛行してもよいか、事故を起こしたときの責任は誰がとるか、そのようなことを規律するのが法律の役割である。しかし、そのような法律を網羅的に解説した書籍は未だ見当たらないようだ。そこで本書では、各分野に詳しい弁護士が中心となって、2015年に改正された航空法の解説をはじめとして、無人機規制法、電波法、道路交通法、河川法、個人情報保護法や肖像権・プライバシー権、土地所有権、条例など、ドローンが関わるあらゆる法律等について、ドローンに

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