法人税制改正詳解 試し読み
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1はしがき 我が国の法人税制は、昭和40年に現在の法人税法が制定されて以後、30数年の長きにわたり、大規模な改正は行われていなかったわけですが、平成12年の有価証券の譲渡損益、デリバティブ取引、ヘッジ処理、外貨建取引に係る取扱いの抜本改正、平成13年の資本等取引税制の抜本改正と組織再編成税制の創設、平成14年の連結納税制度の創設などを大きな転換点として、大規模な改正が行われるようになっています。 法人税制関係法令の総量は、平成11年度改正後と比較すると、連結納税制度の創設と整備が終わった平成15年度改正後が約2倍、そして平成24年度改正後が約3倍という状況となっています。 このように、法人税に関しては、近年、毎年のように相当規模の改正が行われるようになり、これに伴い、法人税関係法令が非常に複雑化し、法令の規定も非常に難解なものとなってきました。 このため、近年は、「法令の規定を読んだだけでは分からない」、「改正の解説を読んでも理解できない」、「税の専門家である税理士も改正に付いていけない」、「当局に聞いても分からない」というような声が多く聞かれるようになっています。 このような疑問の声は、その殆どが平成12年度改正以後に定められた新しい制度の取扱いに関するものとなっているわけですが、上記のとおり、現在は、既にその新しい制度が法人税制の大半を占めると言ってもよい状況となりつつあるため、上記のような声が聞かれる状態が今後も続いていくというようなことになれば、早晩、法人税の実務が大きな困難に直面す

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