小売業のための基礎からわかるIFRSのポイント
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64Q16製品保証家電量販店の当社は、メーカー保証とは別に無料製品保証サービスを行っています。この場合、商品の販売と製品保証サービスを区分して会計処理を行う必要があるでしょうか。Aお掃除を自動でしてくれるお掃除ロボット、毎日最高に美味しいご飯が炊ける高級炊飯ジャー、過熱水蒸気で調理する電子レンジ、と生活に便利なさまざまな家電商品が販売されています。家電量販店等においては、これらの商品に故障が生じた場合に備えて、メーカー保証(製品が本来の仕様に適合していることを保証するもの)とは別に、商品の延長保証や長期保証を顧客と約束する場合があります。このようなサービス型の保証に関して、IFRSでの取り扱いを考えてみましょう。 IFRSにおいては、サービス型の保証は顧客に「修理等のサービスを提供することを約束した」という義務であるととらえます。つまり、家電量販店は顧客へ商品を販売すると同時に、保証サービスを提供する責任を負うことになります。この場合、商品の販売と保証サービスとを区分して会計処理を行う必要があります。具体的には、保証サービスの販売価額を見積もり、お客様から受け取った商品の販売代金を「商品の販売」と「保証サービス」とに区分して、売上の計上を行う必要があります。 このようなサービス型の保証は、家電量販店等が無料で行う場合と有料で行う場合とがあります。質問のケースのように無料の場合には、受け取った商品の販売代金を商品及び保証サービスの独立販売価格の比率で配分することになります。また、有料の場合も無料の場合と同様に、受け取った販売代金の合計額(商品代及び有料の保証サービス代)を商品及び保証サービスの独立販売価格の比率で配分し、「商品の販売」と「保証サービス」とを区分して売上計上する必要があります。なお、有料の場合であっても、顧客へのサービスの意味合いが強く、非常に低廉な価格で保証サービスを引き受ける場合もあるかもしれませんが、「商品の販売」と「保証サービス」を区分する際には、独立販売価

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