非居住者・外国法人の源泉徴収の実務Q&A
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第2版の発刊にあたって 前回、2012年10月に初版を世に送り出してから、早や3年半の歳月が過ぎました。 この間、国際課税の分野において、国内外で大きな変化がありました。 国内では、平成26年に外国法人及び非居住者に対する課税原則を変更する税制改正が行われ、本年4月から施行されています。 その改正とは、従来のいわゆる「総合主義」に基づく課税方式を改め、「帰属主義」に基づくものへと変更する舵を切ったことです。 帰属主義は、国際間における進出形態の差による課税の不均衡を解消することを主目的に、OECD主導の国際的な課税原則とされていて、我が国が締結する租税条約に反映されてきましたが、国内における課税規定には、採用されてきませんでした。 そのような内外におけるダブルスタンダードを解消して、改正後は帰属主義に即したものとなり、その一本化が図られました。 その一方、国際的には、多国籍企業の行き過ぎともいえる節税行動を租税回避行為と捉え、その対応策が各国レベルの課題として俎上にのぼっていて、その影響は海外進出国内企業にも及んでいるところです。最近においても、米国における国境を越えたM&Aに対する規制や、タックス・ヘイブン利用に関する「パナマ文書」なるスキャンダル情報が世上をにぎわし、かまびすしく伝わってきます。 ところで、我々の足元では、国内法の改正があっても、源泉徴収制度に関しては、軽微な改正で終わっており、ほとんどの取扱いが従前と同様とされていますが、国際間の取引や人的交流などが年々歳々拡大しつつあるトレンドは、まぎれもなく我々の前に国際化の現実を示しています。 ともあれ、国際化が進展しているといっても、多くの企業にとって、海の向こうの相手との取引は、その新規性や独自性、単発的要因などが微妙に絡

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