中小企業のための事業承継ハンドブック
18/30

Ⅰ 事業承継概論12① 一体承継と分割承継 オーナー社長である創業者は、会社経営は取締役である長男に、しかしながら、個人の財産は2人に公平に、と考えていたとします。この場合、経営権と議決権は取締役である長男に、株式を含めた財産権を公平に分けようとすると、株の評価によっては兄弟間の問題が生じかねません。そこで、オーナー社長は自らの有する自社株式を会社に金庫株として取得させること、もしくは退職金を受け取ることによる資金化等を検討する可能性があります。② 同時承継と時間差承継 長男は経営者としてもう少し経験が必要ですが、経営者としての資質に問題がなく、会社自体は優良企業で将来の株価は上がることが想定される場合、先行して議決権と財産権を次世代に譲渡し、経営権は一定の期間を置いてからとすることがあります。以下のマトリックスで、承継すべき財産を個別にあてはめて考えると便利です。同時承継時間差承継一体承継分割承継

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

page 18

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です