小規模社会福祉法人の法人運営と財務管理
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成されない原因には様々なものがあります。例えば、役員の選任や決議等の法人運営全般に関するルールや出納管理等の日常業務に関するルールの整備運用の不備を要因とするものもあれば、これらのルールが適切に整備運用されていたとしても誤りや不正が潜在的に生じやすい業務・取引の性質を要因とするものもあります。しかしながら、会計監査人が費やすことのできる時間や費用には限りがあることから、すべての取引をチェックすることは困難であり、監査人には効果的かつ効率的な監査の実施が求められています。会計監査人は、計算書類、附属明細書及び財産目録が適正に作成されていない可能性が高いと思われる部分については集中的に監査の人員や時間を充て、低いと思われる部分についてはそれ相応の人員時や時間を充てて監査(このような監査の実施の方法をリスク・アプローチと呼びます)を行うことになります。〈会計監査人が注力する業務プロセスの例〉・資金管理プロセス 現金預金(入所施設がある場合は利用者預り金を含む)の管理状況(日常における入出金管理、残高照合、保管等の状況)・固定資産管理プロセス 購買時の稟議決済、支払、納品の管理状況。購入後における台帳管理(現物との定期的な照合を含む)。・収益プロセス 補助金の申請・受領事務状況・在庫管理プロセス 棚卸資産(医薬品がある場合はこれを含む)の管理状況(受払の管理、実地棚卸の実施状況)・人件費プロセス 給与計算ソフトのパラメーター・マスターデータ設定管理状況●3−2 監査の実施スケジュール 監査がどのように進められていくのかについてその例を記載します。1監査契約後〜年内(概ね7月〜12月)① 理事及び監事と意見交換・監査の基本方針の策定これは、監査の基本的な方針を決定するため、理事・監事それぞれに対し法人の事業概要・組織体制・内部統制の一般的な状況を質問し、概況を把握します。次に、上記理事・監事との意見交換を踏まえて、年間を通じての監査の基本的な方針を決定します。56第4章 会計監査人監査

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