小規模社会福祉法人の法人運営と財務管理
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はじめに平成29年4月から改正社会福祉法が完全施行されました。この改正は、福祉サービスの供給体制の整備及び充実を図るため、社会福祉法人制度について経営組織のガバナンス強化、事業経営の透明性の向上等の改革を進めるとともに、介護人材の確保を推進するための措置、社会福祉施設職員等退職手当共済制度の見直しを行うものです。この改正にあわせて、平成28年4月から社会福祉法人会計基準が厚生労働省令第79号として法令に位置づけられ、財務規律の向上のための決算ルールが明確化されました。経営組織のガバナンス強化として、理事、評議員、監事の役割と責任の明確化が図られました。特に、理事、監事の責任と権限が法令に明示されるとともに、その役割の重要性が高まっています。法改正に伴い、「社会福祉法人制度改革の施行に向けた留意事項について(経営組織の見直しについて)」が公表され、制度改革の方向性と具体的な考え方が明らかにされました。それに基づき、社会福祉法人審査基準(局長通知別紙1)、社会福祉法人審査要領(課長通知別紙)の改正と社会福祉法人定款例が示されています。社会福祉法人は、公的資金を財源として運営され、税の優遇を受けていることから、適切に運営していることの説明責任があります。今般の改正に適時適切に対応し、その説明責任を果たすために、制度の理解と実務的な留意点を確認することが重要です。この書籍では、制度の概要を解説するとともに、法人運営と財務管理について、チェックリストにより、社会福祉法人が守るべきルールを検討することを考えました。一部、詳細な説明がありますが、チェック項目とその解説を中心に読んでいただければ、法人関係者の皆様であれば、容易にポイントが把握でき、大きな問題を見逃すことを抑止できるものと考えています。特に、小規模社会福祉法人の理事、監事、評議員、施設長の方々でも、効率的に法令が遵守できていることを確認していただけるものと思います。社会福祉法人の皆様の適正運営の役に立つ書籍と考えています。是非、熟読の上、ご活用いただければ幸いです。一般財団法人総合福祉研究会

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