キャッシュレス決済のしくみと会計実務
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202 ても値引き等をすることとされていること。※一定単位数等に達しないと値引き等の対象にならないもの、割引券(将来の資産の販売等の対価の額の一定割合を割り引くことを約する証票をいう。)及びいわゆるスタンプカードのようなものは上記イの要件を満たす自己発行ポイント等には該当しない。ロ その付与した自己発行ポイント等が当該法人以外の者が運営するポイント等又は自ら運営する他の自己発行ポイント等で、イに該当するものと所定の交換比率により交換できることとされていること。②決済事業者の提供するポイントプログラムへの当てはめ決済事業者の提供するポイントプログラムに上述の4要件を当てはめて解説していきます。①の要件は、決済時に自社の運営するポイントプログラムを会員に提供する場合、通常充足されると考えられます。②の要件は、管理会計目的や財務会計目的でシステムにより発行年度ごとに区分して管理されていることが一般的であるため、通常は充足されると考えられます。③の要件は、ポイント失効に起因する事象が、会員規約等においてポイントの有効期限切れや会員による会員規約違反等の場合に限定されており、決済事業者が一方的にポイントを失効させるようなことが想定されない状況であれば、充足されると考えられます。④の要件は、イについて、会員が1ポイント単位で使用できるのであれば充足されますが、一定単位のポイントが貯まって初めて使用できる場合は充足されないこととなります。たとえば、ポイントを景品と交換する場合や他社の運営するポイントと交換する場合は、一定単位のポイントを貯めないと交換できないケースが少なくないと思われます。そこで、イの救済的な位置付けとなっているのがロの定めです。上述した他社のポイントへの交換において、当該他社のポイントが1ポイント単位で使用できるのであれば、④の要件は充足されることとなります。

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