不動産有効利用のための 都市開発の法律実務
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79第1章建築基準法による基礎的な基準め立てられた土地に建築物を建築する場合には,盛土,地盤の改良などの衛生上,安全上必要な措置を講じなければならないとされています(建基法19条②)。(3) 排水設備建築物の敷地には,雨水および汚水を排出し,または処理するための適当な下水管,下水溝またはた・・・・めます,その他これらに類する施設をしなければならないとされています(建基法19条③)。下水の未整備地域や,逆に都市化が進みアスファルト舗装の道路が多い地域では,下水に流れ込む雨水が多いため施設規模が大きいもの(500㎡以上など,条例で決められている)については,雨水を敷地内で処理するように「浸透ます」の設置や,一時的に雨水をためる「ためます」等の設置が義務付けられています。(4) がけ崩れ防止措置建築物が,がけ崩れ等による被害を受けるおそれのある場合には,擁壁の設置その他安全上適当な措置を講じなければならないとされています(建基法19条④)。がけ崩れで被害を受けるおそれがある場合というのは,図表2-1のアのようにが・・けの上の端に建築物を建築する場合と,イのようにが・・けの下に建築する場合があります。 アの場合は,が・・けが崩れれば,建築物は一緒に転落するでしょうし,イの場合は,崩れ落ちてくる土砂で埋まったり,押しつぶされたりします。東京都では,東京都建築安全条例の第6条で,が・・けの高さが2mを超える場合には,そのが・・けの下端からの水平距離がが・・けの高さの2倍以内のところに建築物を建築する場合には,高さ2mを超える擁壁を設けなければならないと規定しています。また,建築敷地を造成する場合も同様です。なお,この条例でいうが・・けの高さというのは,図表2-2に示してあるように,がけの下端から勾配の2分の1の斜線を引いて,それがが・・けの上の地盤と交わる点を求め,その上下の距離(H)をいいます。図表2-2のような位置に建

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