不動産有効利用のための 都市開発の法律実務
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221第 1 章建築協定による環境保全1 建築協定とは――より良い住環境をつくり保全するために建築協定というのは,住民の全・員・が・協定して,その地域に適合した環境づくりをし,その良い環境を保全していこうというものです。低層住宅に係る良好な住居の環境を保護するためには,第1部第4章の2⑵●1(30ページ)で説明しましたように,用途地域として第1種および第2種低層住居専用地域が定められます。そして,建ぺい率として30%から60%,容積率として50%から200%までのなかの数値が定められ,建築物の高さは原則として10m(または12m)までというように厳しく規制されています。また,北側斜線による規制もあり,建築物の用途についても住居以外については厳しく制限されています。したがって,第1種または第2種低層住居専用地域の指定だけでもかなり良好な住居の環境が保たれるようになるのですが,さらに良好な環境を維持しようというときに,建築協定を締結することになります。たとえば,第1種低層住居専用地域のうちでも,上記の規制の範囲内であれば木造2階建アパートを建築することは可能です。木造2階建アパートが混在しているからといって,ただちに良好な住居の環境ではないといえないかもしれませんが,一戸建の専用住宅の建ち並んだ地域に木造アパートが混在してきますと,街並みとしての調和が破られ,ちぐはぐな感じを与えることも事実です。こういう事態を避け

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