地代・家賃改定の実践手法
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第4章 気になる一時金 〜あなたは知らないうちに賃料を払っている〜851 一時金とは 賃借人から賃貸人へ支払われる金銭には、月々の支払賃料のほかに、契約締結時や契約期間中、あるいは更新時等に支払われるものが存する。これらを一時金という。一般に一時金として認識されているものには、敷金、保証金、権利金、礼金、更新料、建替承諾料、増改築承諾料、条件変更承諾料、名義書換料(譲渡承諾料)、建設協力金等がある。2 賃料評価における一時金の扱い 賃料評価において、一時金はどのように影響するのか。不動産鑑定評価基準(以下、本章では「基準」という)においては、実質賃料、支払賃料、一時金の関係について下記のように表現されている。 実質賃料とは、賃料の種類の如何を問わず賃貸人等に支払われる賃料の算定の期間に対応する適正なすべての経済的対価をいい、純賃料及び不動産の賃貸借等を継続するために通常必要とされる諸経費等(以下「必要諸経費等」という。)から成り立つものである。 支払賃料とは、各支払時期に支払われる賃料をいい、契約に当たって、権利金、敷金、保証金等の一時金が授受される場合においては、当該一時金の運用益及び償却額と併せて実質賃料を構成するものである。  「敷金、保証金等」というのは、契約終了時において返還される一時金

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