非公開会社における少数株主対策の実務
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ii式の低額取得に関する課税関係」、「種類株式に関する課税関係」などを含む税務上の問題についても、税務(通達)上の非公開会社株式の時価の考え方と会社法上の時価との関係なども考慮した上で、「コラム」という形で言及しています。 本書の全体の構成としては、「序章」において、中小企業における少数株主に関する最近の動向や実務上問題となる場面などを総論的に解説しています。そして、「第1章」においては、具体的に少数株主には、どんな権利があるのかについて、辞書的な意味合いも含めて解説し、「第2章~第7章」では、少数株主と将来トラブルになりやすい場面なども想定し、事前対策やリアルな実務上の注意点・留意点などを解説しています。最後に「第8章」では、税理士の先生向けなどで解説されることは少ない会社法上の株価の最終決定の場である「非訟事件手続の実務」や「会社法上の株式の評価」の方法について、解説しています。特に非訟事件手続は非公開とされており、世の中にでまわっている情報が非常に少ないため、その分野を得意とする弁護士や裁判官のブラックボックスとなっている現状があります。もちろん、代理人を務めるのは弁護士の仕事となりますが、特に相続・事業承継実務に携わる皆様の一助になるのではないかと考え、僭越ながら筆者の経験も踏まえて解説することとしました。 本書が、税理士の先生やFPの方などの実務家の皆様、ひいては日本の中小企業の一助となれば、これほど著者冥利に尽きることはありません。 本書を刊行するにあたり、私が運営する「税理士法律相談会」の会員である税理士の先生をはじめ、私と関係性をもっていただいた実務家の方々に心より御礼申し上げます。皆様からいただくご相談やご紹介などによる経験が、本書の礎となっております。 最後に、本書を執筆する機会を与えてくださった藤本優子様をはじめとする株式会社清文社の皆様、私に執筆の時間を与えてくれた当事務所の弁護士・スタッフに心より感謝申し上げます。2020年11月 弁護士法人ピクト法律事務所 代表弁護士 永吉啓一郎

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