はじめての学校法人会計
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第1編 学校法人会計の基本を理解しよう 単式簿記は、お小遣い帳や家計簿と仕組みは同じです。右ページのお小遣い帳をみてください。日付(月日)、摘要、収入、支出、残高の各欄から構成されていますが、まず摘要欄をみてみましょう。この欄には「×月分お小遣い」とか、「雑誌購入」といったように、お小遣いの残高がどのような理由で増加したのか、減少したのかが記入されています。●「原因」と「結果」という2つの面から捉えるつまり、お小遣い帳では「雑誌購入」といった「原因(理由)」が摘要欄に、お金が500円出ていったという「結果」が支出欄に記録されていると考えることができます。この「原因」と「結果」という2つの面から捉えるというのが簿記の基本的な考え方です。この単式簿記では、「現金の出入り」を記録しています。そのため、現金が入ってきたらすべて収入欄に記録します。ですから、「弟から借りた」という、いわゆる借金も、現金が入ってきたということで「収入」として認識されます。一方、「複式簿記」は「現金の出入り」だけではなく、財産の増減も記録し、その期間でいくら儲かったのかを記録します。ただし、「原因」と「結果」という2つの面から捉えて「帳簿」をつけて日々の動きを記録し管理するという考え方は同じです。単式簿記と複式簿記との大きな違いは、複式簿記では現金が増減しなくても財産が増減する場合には記入するということです。また、複式簿記では、いくら儲かったかを示す損益計算書とともに、財産の状態を示す貸借対照表を作成します。この単式簿記と複式簿記を組み合わせたのが学校法人会計における学校簿記です。お小遣い帳と簿記2-216

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