はじめての学校法人会計
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第1編 学校法人会計の基本を理解しよう ●仕訳は同じようにみえるけど資金収支と事業活動収支の相違点を第3章の取引を元にみていきましょう。なお、資金収支では「資金収支計算書」を作成します。授業料6,000を現金で受け取ったという取引ですが、仕訳だけみるとどちらも借方が現金6,000であり、貸方も授業料6,000と授業料収入6,000で同じような仕訳です。ただし、資金収支では、受け取った授業料が当年度の活動に対応する収入であるとともに、右ページの図でわかるように、支払資金(現金及びいつでも引き出すことができる預貯金)が2,000から8,000へ6,000増加しています。資金収支上はこの支払資金6,000の増加が収入に該当するということもできます。資金収支においては、支払資金を増加させる取引はすべて収入として認識されるということを理解してください。●収入の考え方は異なる一方、事業活動収支ではどうでしょう。資産である現金が6,000増加していますが負債は変動がなく、純資産を増加させる取引であることから、この授業料6,000は収入(収益)に該当することになります。事業活動収支においては、仮に、現金預金が増えたとしても、かわりに負債が同額増えるなどで純資産が増加しないのであれば、収入(収益)になるわけではない、と第3章で説明しました。あくまでも純資産を増加させる取引が事業活動収支における収入(収益)であって、資金収支と事業活動収支では収入計上の考え方が異なることを理解してください。資金収支と事業活動収支の違い① ー授業料ー4-248

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